風水害時における留意事項

とりあえず、研究員としての活動はお休みしましたが、いままでの知識の中での考えられることをまとめておきます。また、同時に、豪雨による水害と感染症の項も参考にしてください。

ただし、間違いがあっても保証するものではありません(特に、人の生死に関することの保証はできません。)。できるだけ医学的知識の箇所は、専門の先生にうかがうなり、成書にあたって正確に記述しているつもりです。手持ちが『救急救命士標準テキスト』(2005年発行)監修救急救命士教育研究会 改訂第6版 へるす出版発行しかありませんので、古いテキストになりますが、参考にされると良いと思います。また、できれば、ナースをはじめ、スタッフの方も友人の救急医が作成している『災害医療に役立つ標語集』、『救急診療に役立つ暗記メモ集』なども理解しておかれた方がなお良いかもしれません(私も現場で対処していませんので、すべてを理解しているわけではありませんが、その都度勉強させていただいています。)。


以下に取り急ぎ、風水害時に考えられる留意事項を挙げておきます。私は、昭和51年(1976年)9月8日~9月14日 台風第17号が起きた時の水害経験者でもあります。その時の水の怖さは今でもはっきりと覚えています。浸水時の家屋については、床上も床下も関係ありません(死者・不明者169、傷者340、建物2,838、同浸水452,203、田畑88,656ha、船舶204 以上、理科年表(昭和64年 1989)より)。

行政主体では助かるものも助かりません。自分たちでもう一度必ず確認してください。そして復興には時間がかかります。取材される方は必ず復興を見届けるような報道を願います。

伊勢湾台風災害、東海豪雨災害にあったときの施設の先生方は、このような会を結成して頑張っていらっしゃいます。下記に紹介させていただきます。水害時でも震災時においても地盤が液状化することが懸念されていることから、液状会という名をつけて医療施設の垣根を越えてがんばっていらっしゃいます。

液状会-スライド編


いまのハザードマップの多くは、東日本大震災後に整備されたハザードマップです。よって、それらに記載されている避難所は、あくまでも大地震、今後は、それらの地震が原因で大洪水が起きた際の避難所です。避難所運営チェックリストというものを作成している自治体もあります(静岡県危機管理部危機管理情報課に行けば、もらえます。また、自治体によっては、200ページにもわたる避難所運営マニュアルを作成されているところもありますが、説明は多くなればなるほど、読まない人も出てくる可能性があることには注意を要するものと思います。)。二次的避難場所も設けられているとは思いますが、いずれせよ、救護者や負傷者が出れば、救急搬送経路の確認も必要になります。SCUを設けている地域もありますが、やはり、難しいのは搬送先と搬送経路を探すことです。日頃から必ず一度は近くの避難所まで歩いていってもらうなり、介護スタッフのみなさんにおかれましては、介護者を避難所まで連れて行けるか否かを常に検証しながら、確認してください。場合によっては、そのまま待機していた方が良い場合もあることを考慮してください。このハザード(危険区域)マップという言葉自体は新しいものではありません。以前にも、ハザードマップ(火山噴火災害危険区域予測図)として用いられてきたものです(国土庁二十周年史より)。また、船舶・航空部門におけるハザードマップというものもあります。さらには、わが国の河川はその特徴として、大陸のそれと比べれば山間部から都市部までの距離が短く、豪雨などによる流域の増水が起こった際には、都市部の被害までの時間的余裕があまりないという問題を抱えている。JMATという組織は、ICSで動いているという記述があります。よって、民間団体でICSを行う、もしくはその権限を持たせるというのは、やや否定的です。災害時の指揮命令系統のトップは陣頭指揮をゆったりと取るべきであると考えます(command and control)。その点からも多くの命令系統を作ることは、混乱のもとになりかねないからです。(災害時の医療活動 東日本大震災とその後のJMAT活動 鬼怒川水害における医療対応 救急医学 40:313-316,2016)などを参考にしてください。

また、河川付近に住む住民のみなさまにおかれましては、土嚢を積む、救助ヘリ、救命ボートの乗り方など、東京消防庁の行っている訓練が有効かと考えます。阪神・淡路大震災時のように建物倒壊が主な原因と考えられる場合には、頭上訓練や火を消す訓練は有効です。しかしながら、水の際には、一切が役に立ちません。

そして、ラジオでもテレビでもスマホでも避難情報は流れますが、これは気象庁の出した情報をもとにしています。情報は必ず自分で取りに行くことを肝に命じてください。暴風雨の中では、雨戸などを閉めていれば、外の音は聞こえません。電気系統が落ちれば、テレビも消えます。当然、スマホも使えなくなります。ラジオのみ有効かと思いますが、これも後述するように日頃からちゃんとした電池を使い、台風時期のみだけではなく、必ず使用できるか否かを確認してください。

近所などの小さなコミュニティの中で、もしくは家族の中で必ず避難場所を決めておいて、離れている家族にはその旨を知らせることにしておいてください。湛水すれば、避難している場所に留まることも長くなります。落ち着いて避難していてください。泣き叫ぶお子さんも出るかもしれません。苛立ちは時間を無駄に浪費させます。そして体力も消耗します。防災リーダーや防災士の人も来れなくなることもあります。自分が被災すれば来れません。よって、個々人が危機管理能力を身につけることが大事です。

スマホのLINEを通して家族と連絡を取られている方が多いかもしれません。しかし、使用人数が多いアプリは、通信トラフィックを起こすこともあります。以前、年末年始には、What’s Up、Snap Chatが通信トラフィックを起こしています。よって、いろんなアプリを試してみるのも方法の一つです。また、今後、災害用の良いアプリが出るかもしれません。自分で制作するかもしれません(ここはAEDの設置状況を可視化するアプリの構築を試みたことがあります。そのようなアプリはたくさんあるとのことで(現にたくさん同種のアプリは出ています。)、ニーズに合わないアプリを制作しても仕方がないと諦めました。ただiOSアプリしか制作したことがありませんので、うまくいくかはわかりません。

企業にお勤めの方は、従来通りの9月1日(関東大震災が起きたので、防災の日と決められました)に防災訓練をやるような調子の緩慢とした訓練ではいけません。昨今の気象条件は変化しています。海水温度が上がれば、烝過していく水が上昇して雲になります。それで重くなれば、落ちて雨になります(これは小学校理科で習います)。これが激しくなれば豪雨になります。また、この豪雨は、局地的に起きるようになりました。このように昔習ったことを思い出しながら、または、家族と確認しながら、気象・報道番組を観て養うのも一つの方法です。そして、使用アプリを試して、共有するのも良いかもしれません。

また、メルカトル図法、その他の図法(一般的に小学生・中学生の地理で習うと思います。)で気象報道を観るのこともお勧めします。ぜひとも台風は突然日本海上や太平洋海上に発生するものではないという感覚を持たれることをおすすめしておきます。そう言った意味ではメディアは多チャンネル化していますので、海外の気象報道を観ておくのも有効です。

トイレは本当に仮設でしかありません。高齢者、介護施設、認知症などで、介助施設等へ入居されている方、もしくはその方たちを面倒看てくださってる各スタッフの方々に至っては、いつものようにウォシュレットや温水便座が必ずしもある箇所ばかりではないことが考えられます。その旨を考慮したうえで配慮願います。また、下水道の整備状況により仮設トイレの設置のスピードは変わります。以前にも書きましたが、下水道の整備が出来ていない場所に仮設トイレを設置すると、アンモニアが発生することになります。アンアモニアは窒素と水素の化合物で常温でも圧縮することで簡単に液化できます。しかしながら、強い刺激臭のある無色の軽い気体であるという点に着目すると、トイレの設置状況によっては、浮いてきてしまうことがあります。し尿は衛生上処理する必要がありますので、なかなかうまく設置が進まないという点には留意がいるものと思われます。この点に関しては、トイレットペーパーの問題もありますが、一緒に流さないなどの工夫も必要になろうかと思います。簡易トイレ等の備蓄や携帯を推奨している箇所もありますが、自分でできる人はいいのですが、やはりできない人への対応の方が重要になってこようかと思います。そういった意味に於いては、お時間の許す方は、災害ボランティアとして登録、活動してくると現場の雰囲気がよくわかっていいかと思います。移動仮設トイレというものもありますが、まだまだ、少ないです。

最低限でも被災地へ入る場合は、ゴアテックス素材のもので入ってください。間違っても革靴で入らないようにしてください。


病院や診療所に万が一駆け込んでも、病院や診療所は避難所ではありませんので、助かりません。DMAT、JMATの考え方として結果的に被害を最小限に食い止めるといった考え方があります。よって、病院管理者に至っては、DMAT隊員の作成している資料をもとに病院内での避難体系を作ってください。また、DMAT、JAMT体制の中にトリアージ訓練(これを負傷者の選別や治療の優先順位などと訳しているところもあるようですが、やはり、きちんとしたトリアージタグを見てもらい、理解してもらう必要があろうかと思います。)があります。これは一見非情なように見えるかもしれませんが、大規模災害時には、止むを得ない作業になります。これは医療従事者のみならず、一般の人にも周知徹底を図っておく必要があります。そうしておかなければ、遺族側からしてみると見殺しと錯誤される可能性があり、集団訴訟になると裁判上は指揮命令系統にあたる人が敗訴する可能性があります。その点に注意を要するものと考えます。もちろん、トリアージを行わなければならない側のメンタルヘルス対策も急務です。

そして、トリアージ訓練に関しては、今の開業医の先生方も見ておかれた方が良いと考えます。下記スライドは災害拠点病院の救急医が作成しています。

地区医師会、歯科医師会、薬剤師会などで、みておくと実際のところがよく理解できると思われます(医政発0321第2号『災害時における医療体制の充実強化について』も参照ください。)。日常診療、在宅診療等でお忙しいとは思いますが、医師会等での会合の一つとして取り入れるなどして浸透を図ることも有益であると考えます。ぜひともご一考ください。日常診療で診ている患者さんが飛び込んで来られる可能性も十分にあります。日頃から連携を取られておくことは、メールのやり取り以上に関係をより密接にできるかと考えます。災害拠点病院があるから、という考えは捨ててください(厚生労働省医政地発0324号第2号『災害拠点病院への傷病者受入れ体制の確保に関する調査結果』、医政発0331発第33号『災害拠点病院指定要件への一部改正について』なども踏まえてください)。また、指定自体は、今回の平成30年7月西日本豪雨災害が起きたので、今後、現状より多く指定される可能性はあります。しかしながら、この指定条件も地域ごとに柔軟に対応していただかなければ、どうしても無理の出る施設があろうかと思われます。

医療救護所におけるトリアージ

見た目だけで判断しているわけではないことを適切に報道しておいてもらわないと、世論の感情が動かされます。もちろんのこと、自衛隊が装備している機種や働いている隊員の人たちも広域搬送時には使用されますし、手伝います。そう言った連携活動も常日頃から行われていることも、合わせて知っておいてもらった方が見殺しと錯誤される可能性も少なくなるものと考えます。またトリアージを行うためには、ある程度のスペースを必要とします。その点も考慮に入れた救助・救護態勢を整える必要があります。

そして、今回の診療報酬の改定(2018.04)で院内トリアージの点数設定が改定されています。二次救急医療を担っている施設に関しての(新)救急搬送看護体制加算200点です。今回の点数設定は十分な努力インセンティブになるものと考えます。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197997.pdf

詳細は、厚生労働省該当ページ参照してください。

ぜひとも上記スライド等を参考にされて院内での救急体制を固めておく必要があると考えます。災害時のような非常時にも対応できるように日常的に行っておくことが結果的には、非常時にも有効になるかと考えます。ここからは、普段からの各医療機関の救急医療に携わっている方との院内院外との連携をより強固にされておく必要があるものと考えます。

2018-08-22  下記箇所は、杞憂のようです。昨今の自然災害の多さから、EMIS(広域災害・緊急医療情報システム)は安定して活用されつつあるものと考えます。また、J-SPEEDによる医療ニーズの可視化やDMATチームのロジステック部門のおかげかと思われますが、今回は素早く感染症チームや慢性期への治療へ移行することができたように思います。7月15〜21日の集計分データを見ても、最多は皮膚疾患となっており、思ったより、熱中症は少ない、災害関連死も減少中とのことです。薬剤管理もそれによって、皮膚科疾患薬剤、結膜炎、熱中症に対する医薬品の確保ができたようです。感染症の中身も消化器感染症が多いとのニーズを早期に把握できています。東海豪雨災害の際には、知多保健所の保健師さんが災害からくる疲労等が原因と思われる結核の新規登録例が3例あったとの報告をされています。救急医学総論では、広い意味での救急医療システム(EMSS)は、救急搬送システムなども含めたそれぞれのシステムが有機的に連携した時に初めて、最大の効果を発揮するとされていますので、改善の余地はあるのかもしれません(『2010APEC 横浜における バイオテロ対策のための強化サーベイランス 報告書』(この国立感染症研究所感染症情報センターの大日康史さんと澤野氏との話は経済学部に属している人なら誰もが知る内容です)なども参考になるのかもしれません。)。

また現在は、処方箋は院外分業になっている場合も多いかと考えます。また、多くのジェネリック薬品が出ていることから、その薬の名前が出てこないことも考えられます。さらに必要な薬は後の救援物資要請のためにも計算しておく必要があります。これらはレセコン会社も含め、医療事務、薬剤師、救命救急にあたる医師との間で定期的に情報を共有しておく必要があります。医師が行えば良いと思われる方もいるかもしれません。

しかしながら、医師法には、八  薬剤師が乗り組んでいない船舶内において薬剤を投与する場合を除いては、災害を想定した場合の調剤業務については附則等では触れられていません。参考までに医師法第22条の条文をのせておきます(2018-05-25現在)。こういった法令の検索は、電子政府の総合窓口にてオープン化されていますので、随時検索(外国語にも翻訳してくれますが、実際に伝わるか否かはわかりかねます。)が可能です。

第22条 医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当つている者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。

一 暗示的効果を期待する場合において、処方せんを交付することがその目的の達成を妨げるおそれがある場合
二 処方せんを交付することが診療又は疾病の予後について患者に不安を与え、その疾病の治療を困難にするおそれがある場合
三 病状の短時間ごとの変化に即応して薬剤を投与する場合
四 診断又は治療方法の決定していない場合
五 治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合
六 安静を要する患者以外に薬剤の交付を受けることができる者がいない場合
七 覚せい剤を投与する場合
八 薬剤師が乗り組んでいない船舶内において薬剤を投与する場合

東日本の震災時における体制では、循環器内科の医師が災害対策本部を司っていた石井正先生のもとにコンピューターが3台では足りないとの旨、要望がはいります。急遽、5台に増やし、対応したとの記録があります。

これらは、現在の医療が分業体制でなければ、対応できない複雑性から来ています。医薬分業率の促進は、厚生労働省の数値目標にもなっており、年々促進しています(厚生労働白書にその記録が掲載されています)。その旨を了承の上、各医療関係者は準備願います。

紙の処方箋を用いることになりますと、調剤業務に支障をきたし、かえって非効率です。また、処方箋の保管義務は5年間と決められています。記録として残すと言った意味でもコンピューターの使用は止むを得ないものと考えます(救護班として出向く場合は、異なります)。その後、レセプトとして診療報酬請求するか否かは各種の保険機関によります。とりあえずは、コンピューターの使用を考慮に入れるべきだと考えます。薬事法第四十九条では、次のように定められています。この点も地域固有の問題はあろうかと思います。災害拠点病院の指定を受けている病院の多くは、電子カルテに移行することでコンピューターの使用も通常診療の一部に取り入れられつつあろうかと思われます(同種の電子カルテではない点には留意がいるものと思われます)。バックアップ電源の確保もある程度は出来ているものと考えます。しかしながら、開業医の先生方や地域の医療施設(広島県外来診療再開のお知らせ|本郷中央病院などにおいては、患者さんの診療記録や医療機器はおろか検査機器、コンピューターも水没してしまっています)においては、まだまだ、電子カルテの移行が進んでいない地区もあるように思われます。そこが今後の病診連携室などのみなさんと地区のみなさんの知恵を出しあわれるところかもしれません。また、この点に関しては、医政発0321発第2号『災害拠点病院指定要件』の施設及び設備で規定がなされていますので、合わせて参照ください。

第四十九条 薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方せんの交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、厚生労働大臣の指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師、薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者、医師、歯科医師若しくは獣医師又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

この正当な理由なくという箇所を、後日、平成17年3月30日付薬食発第0330016号厚生労働省医薬食品局通知にてその解釈について記述がなされています。大規模災害時等において、医師等の受診が困難な場合、又は医師等からの処方せんの交付が困難な場合に、患者に対し、必要な処方せん医薬品を販売する場合とされています。

ですので、現在は、このようなことを鑑みて、マニュアルなどの見直しを図られることをお勧めします。後述するように、公的保険制度は、日本の司法制度の中でのみ、成立する話ですので、外国人の方については、通常は、法的には対象とされていません。ですので、その点に関しては、別段として考える必要があります。薬剤につきましては、日本災害医学会では、次のように決めていらっしゃるようですので、紹介させていただきます。災害時超急性期における必須医薬品リスト(DMATによる救命救急医療用医薬品を除く)


東海・恵南豪雨災害のときには、その中継の役目を医薬品卸が担ったとの記録もあります。それらを考慮の上、必要薬剤のリストアップ、供給先との連携作業など日頃の診療以外の作業となりますが、準備されておくに越したことはないものと考えます。また、暴風の中では、外傷が対象となる場合が多いものと考えられます。

また、東海・恵南災害の時には、竜巻(平成11(1999)年9月24日に愛知県豊橋市を襲った竜巻は、戦後最大級といわれるという記録もあります。これらは気象庁のページにそのメカニズムとともにデータベース化されています。竜巻等の突風データベース。詳細は、地形学や地理学、地質学などがご専門の先生方に伺ってください。その中でも興味深い号は、『地理』2013.9月号.vol58.古今書院発行などがよろしいかと思います。)が同時に起きていることから、重度外傷者が運ばれていることが記録されています(その内訳は、医療機関にかかることになった243名のうち、負傷理由についてはっきりとしている224人についてその記録があります。その治療は、創傷措置や擦過傷措置、創部処置など多岐にわたっています。夏の暑さの残る時期であったことより、衣服から出た部位を負傷したケースが多かったようです(手・腕が114名、頭部・顔面が106名、足が93名、胸部・腹部・背部が43名、全身が5名と記録されています)。また、入院を必要とした重症者10例中、最も酷い方は、84歳女性、車に乗って車ごと吹き飛ばされたため、入院、緊急手術、皮膚移植しています。屋内と屋外での比較も記録されています。屋外53例に対して屋内171例、その内訳は、屋内はガラスによるもの147例と最も多いです。実は、これがShake Out Earthquake などの訓練時に気にはなる点ではあります。)。よって、JATECの研修を受けられておくことをおすすめします。シニアの方は、いい意味で真面目な方が多いかと思われます。したがって、普段から通院している場所へ避難してくることも十分に考えられます。常日頃より、整形外科医・外科医との連携を取られておく必要があります。

さらにDMAT・JMATという緊急時の救護体制の組織は、ご存知のように、阪神・淡路大震災のような建物倒壊を主とした災害後に整備された組織体系です。愛知県のDMAT体制の前身は、1994年4月26日名古屋空港(現在の県営名古屋空港になります)における中華航空公司Airbus機140便の墜落事故になります。映像は多く上がっています。ナショナルジオグラフィックチャンネルでも放映されています。同機には、乗客256名(幼児2名を含む)及び乗組員15名、計271名が搭乗していたが、うち264名(乗客249名(幼児2名を含む)及び乗組員15名)が死亡し、7名(乗客)が重傷を負った。同機は大破し、火災が発生した。

それ以前の関東大震災時における記録として、以下があります。罹災した医療関係者の行く末も問題であった。京橋区の吉川医院は入院患者を抱えて罹災し、火災で建物を焼失して職員が患者と共に避難したが、東京市の救護所に患者を預け、医師や看護婦も二日の夕方から救護所で働いた。現在では、医療機器の発達により、単に場所さえあればよいというわけではないので、病院の災害に対する抗耐性をあげるとともに、救護施設に転用できる余地や建物を整備し、その活用性を認識できる人を育てる必要があろう。以上、『鈴木淳『関東大震災ー消防・医療・ボランティアから検証する』p171-172より引用とあります。

現在、総務省では空き家の統計を集計中です。その後の跡地についてはいろんな策が考えられることと思いますが、このような点を含めて考えることも重要であると考えます。

同時に、道路冠水には幾つかが考えられます。農業用水が溢れ出てくる箇所、そして、道路(鉄道)が高架している箇所では水が湛水状態になることから冠水し、水没車両が出ることも考えれます。ここでは、救急搬送車両は通れなくなるものと考えます。

確認するかぎり、もともと河川周辺の道路は非常に曲形を書くように出来ています。このような道路は、普段より生活道路、農業道路として使われており、二車線道路になっている箇所は極めて少ないようです。よって、このような箇所では、長崎豪雨災害時のように車両が極めて水没される箇所が多く出る可能性が高いものと考えれます(もちろん東海・恵南豪雨災害でも水没車両の集計はされています)。

普段の地図においては、そのような想定はなされていません。こういったことをハザードマップ等に書き込む作業も有効ではあります。しかし、自分で実際に行って確認してこないとわかりません。シニアの方が多く歩いておられたり、自転車のフラつき転倒も考えれます。また、月曜日、雨の日、週末のドライバー心理は変化します。こういった点も含めて柔軟な避難誘導を行う必要があります。


テレビは、基本的には避難所にはひとつ設置してある程度だと考えてください。しかも、重要な情報源であるためにNHKが放映されています。間違ってもチャンネルを切り替えるようなことはやめてください。病院の混雑時と同じことです。スマホは便利なものではありますが、電気は基本的に使えないものと考えてください。

スマホの充電器の依頼が東北大震災ではあったとの報告もありますが、電気が使えなければ、充電もできません。

そのために、スマホの急速充電器を用意するときには、5000mAh以上のものをお勧めします(これはコンビニ等ではなかなか入手しにくいと考えます)。これで、1回から1.5回までは充電が可能かと思います(現在、自分でも検証中です)。また、これはアプリの使用回数やアプリを多く入れていれば、その影響を受けます。

まず、通常の充電器のことを思い出されれば、良いです。例えば、電圧5Vで容量4.8A、全部で24Wの電気が得ることができます。機械工作のことを思い出されれば良いです。これは、シガーソケットのある車ですと、そこからバッテリーを起動させることで電力が得られます。ただし、『バッテリー上がり』という点に注意が必要なのと火災が起きる可能性もありますので、粉塵は取り除かなければなりません。水没などしてしまった場合には、整備工場などできちんと整備してもらう必要があります。

個人的には、災害情報は、NEWS DIDGEST、天気予報は、Yahooの天気アプリ、Storm Raderなどを使用してみています。

また、配信アプリ等を使いなれてる方であれば、状況を伝えるのには有効かもしれません。電波は途切れる可能性は高いです。また、スマホをみながら、避難もしくは避難誘導をするわけではありませんので、過信しすぎるのもどうかと考えます。

 abitax tag light 0510(これは鍵などと一緒に携行できます。色も豊富です。認知症患者さんなどには色でその重要性を示すことができますし、女性スタッフの評判も良いです。)や、MagLight Mini(但し、中の乾電池は破棄してください。外国製の乾電池が付いています。液漏れなどから故障することが指摘されています)などをお勧めします。いまは、どちらもLEDタイプのものです。その明るさは試してみていますが、軽量ですし、簡単に入手できます。点灯、点滅の切り替えもできます。MagLightでも良いのですが、重いです。アメリカの警官が使用しています。容疑者と格闘などになった際には、ライトの後部で殴るそうです。航空機の検査で用います。 MAG LIGHT OFFICIALSHOPPAGE
Abitax Tag light Abitax Tag light とピルケースです。これを鍵などと一緒に付けておけばなくすことはありません。東北の津波の時に、家族の薬を家に取りに帰り、津波に飲み込まれて亡くなられた方がいらっしゃいました。

個々人では、簡易型の乾電池の残量チェッカーなるものが市販されています(500円程度で購入できると思います。)ので、使用期限内であっても出来るだけ、廃棄処分されるなどをして対処してください。

簡易電池チェツカー
電池をこのように挟みます(単1乾電池からボタン電池まで挟めるものであれば計測できます)。上側が+極で下がー極になっていますので、電流が流れている量を測ります。これが右に振れていれば大丈夫ですが、左に振れているようだと電流はほとんど流れていないことを意味します。したがって電池としての意味を持ちませんので、破棄の対象になります。これは自作もできますが、大量にいるということであれば、購入された方が良いかと思います。

特に介護施設等、認知症患者さんを看ている施設に置きましては、災害時のみならず普段から懐中電灯等はお使いになられていることと考えます。懐中電灯購入時にあったては、乾電池等を一括購入され、一斉に取り替えるなどして、使用状況、および消費状況を一斉に確認される機会をもたれるなどの工夫を要すると考えます。
 農家のかた、JAの皆様に置かれましては、避難情報の正確な把握とともに、農地、稲作等の土地への状況確認は絶対にしないでください。これは、市役所・役場の皆様方へもお願いです。野焼きは、土地の自然環境保護とともに風向きによっては熱傷(やけど)を起こすことも考えられます。重度熱傷を負われますと、より重篤度の増す熱傷患者さんが運び込まれる施設への緊急搬送の妨げになりますので、くれぐれも止めていただく方向でご検討いただいてください。

2018-11-20下記を追加しました。現在、開催されている日本救急医学会でも発表された内容ですが、大規模模災害時にも十分に考えられる内容です。日頃より野焼きなどと同じように留意されるにこしたことはないかと思います。
野外でヤケドしたらエアロモナス感染に注意!

山登りのザックがあれば、それの中身を入れ替えるようしておけば、動機付けになると考えます。

常日頃常備しておく懐中電灯等はちゃんとした乾電池を使用することをお勧めします。いまは乾電池は、いろんな所が製造したものが販売されています。しかしながら、液漏れ等を起こして、故障している可能性もあることから、出来るだけ、国産のもので国内メーカのものを購入することをお勧めします。

腕時計で時間を計ることを心がけてください(水害時には降るときは時間がいつもより早く感じます。逆に水が引く、あるいは救護が到着するまでは長く感じるかもしれません。よって、常に自分の時計で時刻を確認することをお勧めします。(なお、このような災害心理をより深く知るには、関屋直也(2011)「災害」の社会心理、KKベストセラーズ社発行 がわかりやすい部類かと思います。

とにかく、一旦落ち着くことをお勧めします。いつも行っている箇所だから、いつもの訓練通りにと安心せずに水は浸水すると重くもなります。いつも以上に歩くのに負担がかかります。帰宅難民になることも考えられます。近くにいる人同士で考えることをお勧めします。

自分だけ、自分たちだけという気持ちはできるだけ捨ててください。浸水してくる水は、溜まりこむのも早く感じます。

エレベーターも橋も耐重量以上の負荷がかかれば、必ずしも安全というわけにはいきません。小さなお子さんやベビーカーなどを持った女性の方、飼い犬や飼い猫、外国人の方、介護を要する方、精神疾患を持った方、誰もが同じではありません。

この点に関しては、病院に関しては、日本語・英語・ハングル・ポルトガルで対応していらっしゃるところが多いようですが、中国・ブラジル・ベトナムなど工場勤務の方を診ていらっしゃる施設においては、複雑にはなりますが、多言語で説明等を必要とするかもしれせん。そして、来年(2019年)には、ラグビー、2020年には、オリンピック開催が決定しています。そのため、多くの外国人旅行客が入国してきます。その準備も今からでも始めておいたほうが良いかもしれません。

また、基本的には外国人旅行者の方は旅行保険のみの加入でしかありません。国民健康保険法では、日本国籍を有するものしか適応対象になりません。ですので、その対応も必要になってくるかと考えます。透析ネットワークを組まれている中で、外国人の透析患者さんを受け入れている施設もあるかと考えます。その情報の共有もされると良いかと思います。


必ず、救護には来てくれるものと思って、皆で皆を信じてください。現在の体制は、すべてを助けてくれる医療救護体制が整いつつあります。それを信じて最善の策をお互いで考えてください。
 慌てて、車で出かけるということになりますと、昭和57年の長崎豪雨災害の時のように、車自体が水没することも考えられます。また、現在の車の多くは、キーレスエントリーシステムを採用しています。すると、キーをつけっぱなしにして、車を放置して逃げるという行動も取りづらいことも考えられます。窓から逃げる際にも、特殊なハンマーを必要とします。外傷や外傷性ショックを起こすことも考えれます。日頃から、道路舗装の未熟な地域におかれましては、以前から地元に住んでいらっしゃる方々の方が、普段より水はけの良い悪いでご存知かと考えます。互いに情報を共有されることをお勧めします。もちろん、土砂災害時の時のように急にやってくる自然災害に関しては、対応困難になる恐れもあります。近年の局地的豪雨(ゲリラ豪雨は気象用語としてありません。そのような言葉に惑わされることのないように自分で情報を取りに行く姿勢が必要です。)が多いなど気象の変化に敏感な方は、農地や畑を持っていらっしゃる方たちです。ぜひとも積極的にそのような人に聞きに行くなりして、情報を共有してください。

また、病院等医療施設に於いては、救命ボートを常備していらっしゃる箇所もあります。その方が浮いていることができます。あとはその場所を救命救助隊に、どう知らせるかは問題ですが、助かる可能性は高いと考えます。

生活用水、医療機関で使う水として考えるのであれば、水を備蓄することは有効です。しかしながら、多くの水を下部に備蓄することは重くなります。それを誰が上部まで持っていくかについてはやや疑問が残ります。

一般企業、民間団体におかれましても、外水氾濫・内水氾濫、いずれも同じですが、水の備蓄とともに、救命ボートを備蓄することも合わせてご検討ください。

現段階では、想定浸水高は5mで設定されている箇所が多いと考えます。密閉空間で5mはおおよそ人3人分になります。これではやや不安です。廃棄口から流れ出す水の流速を算出すれば、おおよその推定値はわかります。密閉空間に押し込まれると、過呼吸やパニック障害などになる方も出るかもしれません。また、閉所に押し込められることは、心理的に決して良いことではありません。木造家屋や鉄筋家屋によってその影響は異なるものと考えます。水は逃げ口を塞げば、その分、溜まります。伊勢湾台風災害時には、5か月間にわたって湛水化した区域が記録されています。私の被災時には、ほぼ一週間は湛水状態が続きました。もちろん、場所による違いはあります。

今回は、都市部でのエレベーターの想起しています。個々人でエレベーターという箱の中に水が上がってくるイメージができるでしょうか。それがイメージできれば良いかと思います。

そして、川岸、山間部の河川流域では、Wi-Fiの電波はとりにくい状況(実際に検証してきました)にあると考えます。東海豪雨災害時には、矢作川水系の上流部がいつもより川の音が大きいことより豪雨災害を引き起こしています。避難情報にはくれぐれも警報サイレンの方を優先してください。むしろ、鳴る前に避難した場合の方が良いかとも考えます。自分たちで過去豪雨のあった場所へ入る時は、情報を共有してください。上流部の中洲で取り残されて、救助ヘリに救出されたようです。水の増水を甘くみてはいけません。数分単位で増水してくる可能性さえあります。

また、4月からの文部科学省の学習指導要領には、GPSを用いた授業カリキュラムの導入が指導されています。このシリアの女の子は必要性に迫られて、このような開発を行ったのでしょうが、このようなアイディアもあります。ご参考にされてみてください。

そしてこんなニュースもありました。

熊本・荒瀬ダムを完全撤去再生へ 国内初、清流生かし自然に戻す

2018/3/27 16:48

撤去前の県営荒瀬ダム=2011年、熊本県八代市
熊本県が2012年から続けてきた八代市の県営荒瀬ダム(長さ約210メートル、高さ約25メートル)の撤去作業が完了し、同ダム近くで27日、県主催の式典が開かれた。県などによると、ダム本体を完全に撤去し自然の状態に戻したのは国内で初めて。

ダムがあった球磨川の流域では、戻りつつある清流を活用した地域おこしの動きが始まっている。県はダムがあったことを後世に伝えるため、右岸の堤体の一部を遺構として残し両岸に展望スペースを設置。

熊本県によると荒瀬ダムは1955年に県が建設した発電専用ダムで、洪水調節機能はない。完成後も度々、水害が起きた。

(共同)

ダム建設は、県の財政的な負の側面を補うよりも、自然環境破壊(自然の生態系の損壊とでもいった方が良いのかもしれません)の方が高いと考えます。堰きとめる水は淀みます。そして、近隣住民の皆さんと水との戦いなのです。さらには洪水調節機能はないのであれば、早く撤去すべきです。東海地域だけを考えても、徳山ダム、長良川河口堰、佐久間ダムなど多くのダムがあります。いずれも海へと流れ出る水の流れを堰き止めている人工的な仮設置物に違いはありません。これからは水とともに生きることを住民主体で考える時代だと考えます。以前には、こう言ったダム建設の背景には、渇水する、もしくは水の安定供給できるか否かという危惧感が背景にあったようです。そのことにより、水資源機構なるものに多額の金額がつぎ込まれてきた背景もあります。ですので、すぐには結論の出るべきものではないとは思います。しかしながら、天皇陛下が30年にわたり研究されているような水の性質に重きをおくことになれば、やはり、堰きとめる水は淀みますし、洪水調節機能を果たさないのであれば、豪雨の時の二次災害を生み出すことにもなりかねません。また、この点に関しては、川の外科医と呼ばれ、近自然工法の土木技術を応用し、荒廃した河川の再生に努力されていた福留脩文さん(2013年12月に亡くなられました)の技法を用いるのが個人的には良いと思います。少子化へ推移していくと推計されており、その通りに推移していくのであれば、先人の知恵に学ぶべきだと考えています。この知恵を後世に残す技術を創る努力を惜しまない社会になっていくことを考えたいと思います。その点、世界の科学者は偉大だと思います。Remaking the Mekong GATHRI VADYANATHAN Nature 2011/10/20号 Vol.478(305-307)

また、東京大学の斎藤馨先生の講座ではこのようなことも行われていますので、紹介させていただきます。

自然環境景観学/斎藤馨研究室

ここまでの記述したことに関しては、いずれの団体や学会にも所属せず、私個人が水害にあって、勉強してきた結果をまとめているにすぎません。他の団体や学会の意見や主張とは異なることがあるかもしれませんので、ご注意ください。

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